ソグネフィヨルド観光
行方不明になっていた荷物も無事に手元に戻り、今回の旅でもっとも観光らしい観光であるフィヨルド見物に出発します。
ヨーロッパで一番長く深いというソグネフィヨルドを、ほんの少しだけ通るお手軽かつポピュラーなルート。まる一日かけて、いろいろな乗り物を乗り継ぎ、最終的にはノルウェーの首都オスロに到着します。
道程はこんな感じ。立山黒部アルペンルートみたいですね。
ベルゲン
↓ 列車
ヴォス
↓ バス
グドヴァンゲン
↓ フェリー
フロム
↓ フロム鉄道
ミュールダール
↓ 列車
オスロ
ホテルを出て、しばし歩いて、フィヨルドへの玄関口となるベルゲン駅へ。ホームには、なかなか渋い雰囲気の列車が待ち構えていました。
車いすマークの付いた車両があるにはあるのですが、乗り込むまでの段差は相当なもの。長いスロープで無理矢理ぎみに解消します。
スロープが急なので、乗せるときは二人がかり。
車内は、いたって簡素なつくりです。
1時間ほど列車に乗ると、ヴォスに到着。ここで降車し、駅前でスタンバイしているバスに乗り換えます。
ヴォスは小さな町で、すぐにのどかな景色が広がる郊外に出ました。自然と調和するかわいいデザインの家をながめたりしながら、のんびりバスの旅。
山の頂には雪! 標高が高くないのにこんなに残っているということから、このあたりの冬の厳しさが想像できます。
のんびりムードだったバスの旅は、終盤にさしかかると突如一変。細く急な山道を登り始めます。乗客のテンションも上がってきました。
そしてドーン! フィヨルドにつながる深い谷が目の前に現れました。
美しい滝も!
そして、フィヨルドクルーズの出発点、グドヴァンゲンに到着です。
このフェリーに乗ります。所要時間は2時間ほど。
天気が今ひとつすっきりしないのが残念。ときおり雨が激しくなります。
切り立った崖と崖の間に、小さな村がぽつりぽつりとあるのが印象的でした。長寿で有名な村もあるとか。水がとても良いのだそうです。
船の終着地であるフロムが近づいてきたころ、青空が少し見えてきました。しかも、鳥さんのお出迎え付きです。
フロム到着!
さて、次に乗るフロム鉄道の出発まで、およそ2時間もあります。おみやげ屋をのぞいたり、周辺を歩いたりしながら、時間をつぶすしかありません。
おみやげの種類は豊富でしたが、やはり「北欧の物価」に「観光地値段」が乗せられているようで、思わず躊躇してしまいます。しかし、そんな小心者の私たちのすぐ横では、中国からの団体ツアーの皆さんがものすごい勢いで買い物をしまくっているわけですよ。あの人たちはどれだけお金持ちなのでしょうか。
フロム鉄道
発車時刻が近づいてきたので、列車に乗り込みます。深緑色の無骨な機関車が、いい仕事をしてくれそうです。
山の中をくねくねと曲がりながら登っていくフロム鉄道。途中、上下線のすれ違いのため一時停車します。
さらに、ショス滝を見物するためにも停車してくれます。
ここでは、みんな下車しての撮影大会となります。
まだまだ登ります。トンネルも多く、中にはこんなハンドメイド感覚あふれるものも。
出発から50分ほどで、標高865mのミュールダール駅に到着。ここまで来ると、雪をかぶった山が間近に見えます。
ベルゲン行きの列車を発見。私たちはフィヨルド観光をするためにあれこれ乗り継いでいますが、単なる移動であればオスロとベルゲンは鉄道一本でつながっているのです。ここミュールダールは、その途中駅というわけです。
私たちが乗るのはこちら。オスロ行きの急行列車がホームに入ってきました。
さらに列車でオスロへ
特別に豪華というわけではないものの、一人ひとりのスペースは充分に確保された車内。4時間半ほど乗るのことになるので、シートの座り心地も重要ですが、なかなか快適でした。
こちらは食堂車。奥にはテーブル席があり、本格的な食事もできます。サンドイッチ等の軽食メニューは、自席へのテイクアウトも可能。ただし、アルコールが飲めるのは食堂車内に限られます。ノルウェーは、お酒の関するルールがかなり厳しいようですね。
寒々しい雪山や、美しい湖などを眺めつつ、オスロに向けて走るベルゲン急行。途中から日も暮れてきて、ときおり通過する街のあかりをぼんやり見ているうちに、浅い眠りに誘われます。車窓を過ぎ行く街の規模が少しずつ大きくなってくると、首都オスロまであとわずか。
そして、オスロ中央駅に列車が滑り込んだのは、夜11時近くでした。深夜の駅前は、まったく知らない土地ということもあって、あまり気持ちの良いものではありません。写真左の大きな看板の写真も謎です。
宿泊先のホテルに歩いて向かいます。時間が遅いので、なるべく人通りがあって明るい道を選択。街のメインストリートであるらしいカール・ヨハン通りが無難でしょう。
オスロでの滞在先であるファーストホテル・ミレニアムは、この通りから2筋ほど外れた、ちょっと薄暗い一角にありました。暗く、しかも知らない土地は、不安を募らせます。こういうときには、東京の明るさが恋しくなりますね。身勝手ではありますが。
客室のシャワールームには、巨大なシャワーチェアがドンと据えられていました。スケール感が伝わりにくいかと思いますが、日本で見るものの5割増といったところでしょうか。頑丈そうです。
朝からずっと移動の連続だったため、合間合間に小腹を満たすのがせいぜいで、きちんとした食事をとらずに終わった1日でした。時間も遅いし疲れているしで、寝る前にとった夕食もバーガーキングで買ってきたワッパーのセット。ファストフードだって、もちろんノルウェー値段です……。
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